12年から始まった固定価格買い取り制度では再生可能エネルギーの買い取りのため、ユーザーの電気料金に再エネ賦課金を上乗せしているが、この賦課金が1000億円以上も実際より多く見積もられているのではないかという指摘がある。

 賦課金は再エネの買い取り見込み額から回避可能見込み額を引いたものだが、この回避可能見込み額の算定方法に問題があるのだ。この回避可能見込み額とは、太陽光などの再エネを買い取ることで自社発電しない分の軽減される燃料費や設備投資などを指し、全ての電源の運転単価の平均値を使って算定されている。

 しかし、全ての電源の運転単価を使って回避可能費を導き出すことが適正なのだろうか。例えば、ここ数年の東京電力のkwhあたりの自社発電運転単価を見てみると、水力0.02円、原子力2.31円、石炭火力4.4円、ガス火力10.72円、石油火力15.95円となっており、電力会社としては最も運転単価の高い電源からカットしていくと考えるのが合理的だ。逆に、回避可能費として水力や原子力、石炭火力などの比較的安い電源からカットしていくとは考えにくく、実際に電気料金審査専門委員会への提出資料でも安い電源を高稼働率になるように運用しているのが見て取れる。どう考えても高い電源からカットしていくと考えるのが合理的であり、欧米における回避可能費の試算も高い電源からカットしていくという考え方をベースに運用されている。

 経産省の全電源方式で計算した13年の賦課金は約3,500億円となっているが、これを高い運転単価の電源からカットする考え方などで再計算すると約2,100億円から約2,400億円となり1,000億円以上の大きな差額が発生することになる。これによって必要以上に事業者の負担は軽減され、ユーザーの負担は必要以上に重くなっているということになる。これはおかしい。

 再エネの普及のためにもこうした点は改善すべきだ。こうした無駄やおかしなところをひとつひとつ適正に変えていく事が、多様な電源を選択できることにつながる一里塚になる。